数学徘徊記

自由な数学ブログ。

5882353について

5882353は面白い特徴を持った数で、
5882353=5882+23532がなりたつ。
一見しただけでは普通のテキトーな数にしか見えないので、よけいに不思議である。

もちろん、同じような数を見つけたくなる。

\(x^2+y^2=10^nx+y\)(\(x,y,n\)は自然数、\(10^n>y\))について考察する。

まず、平方完成による考察から。
\(x^2+y^2=10^nx+y\)
\(x^2–10^nx+y^2–y=0\)
\((2x^2–10^n)^2+(2y-1)^2=10^2n+1\)
つまり、\(10^2n-1\)を平方数の和にすればいいことになる。
\(n=2\)の場合を例にすると、10001を平方数の和にすればいいので、
10001=1002+12=762+652
あとは簡単で、この場合 1233=122+332 と 8833=882+332 が成り立つ。

しかし、この方法で大きなものを見つけようとすると、
大変大きな数を2つの平方数の和にする必要があるため、実用的ではない。
大きな解を見つける方法はないのか?

ところで、5882353x17=100000001=108+1である。
これはきれいだ。というよりはこれだから5882353=5882+23532がなりたっているのか?

ためしに588と2353をそれぞれ17倍すると、9996と40001になる。
すなわち\(588=\cfrac{10^4-4}{17},2353=\cfrac{4\times10^4+1}{17}\)となる。
何か規則性がプンプンにおうので、下のように一般化してみた。

\(x=\cfrac{10^a-b}{b^2+1},y=\cfrac{10^ab+1}{b^2+1}\)とする。
このとき
\(x^2+y^2=\cfrac{(10^a-b)^2+(10^ab+1)^2}{(b^2+1)^2}\)
           \(=\cfrac{(b^2+1)(10^2a+1)}{(b^2+1)^2}\)
           \(=\cfrac{10^2a+1}{b^2+1}\)
\(10^ax+y=\cfrac{10^a(10^a-b)+10^ab+1}{b^2+1}\)
           \(=\cfrac{10^2a+1}{b^2+1}\)
やはり等しくなった。これは感動ものである。

実は、これで答えがバンバン出せるかというと、そうではない。
\(\cfrac{10^a-b}{b^2+1}\)が整数にならないといけないためである。
(\(\cfrac{10^a-b}{b^2+1}\)が整数になるとき\(\cfrac{10^ab+1}{b^2+1}\)が整数になるのは、案外簡単である)
これはしらみつぶしに頑張るしかない。

たとえば、a=64,b=16という解が見つかるが、この場合
389105058365758754863813229571984435797665369649805447470817122 +
6225680933852140077821011673151750972762645914396887159533073932 =
38910505836575875486381322957198443579766536964980544747081712622568093385214007782101167315175097276264591439688715953307393
というとんでもないくらい大きな解になる。

これも計算が大変そうだ。しかし、これはフェルマーの小定理を使って
格段に解の候補を減らせるので、こちらのほうが楽である。