数学徘徊記

自由な数学ブログ。

準完全数は存在するか?

なぜこんなことを考えたのか?
僕の友達が考えた問題だが、
約数の和が 2n + 1 に等しい数 n を準完全数と呼ぶことにする。
このとき、準完全数は存在しない。
という問題を出してきた。友達は200までやって、なかったらしい。

ああ!何としても見つけたい!(`・ω・´)

ということで。がんばった。
まず、コンピュータープログラムで10万まで確かめてみたが、ない。
よし、数学的にバリバリ行くぞ。

記号の定義
\(\sigma(n)\) で、 \(n\) の約数の総和を表す。

考察、いってみよー
※注:かなりわかりにくい。
完全数 \(n\) が存在するとする。
このとき \(\sigma(n)=2n+1\) となる。
\(2n+1\) は奇数。なので \(\sigma(n)\) も奇数となる。
ここで、 \(n=2^{a}b'\) (ただし \(a\) は非負整数、 \(b'\) は正の奇数)と置く。
約数和の性質より
\(\sigma(2^{a}b')=\sigma(2^{a})\sigma(b')\nonumber\\\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ =(2^{a+1}-1)\sigma(b')\)
つまり、 \(\sigma(n)\) が奇数になるためには \(\sigma(b')\) が奇数になればいい。
\(b'\) の約数はすべて奇数のため、 \(\sigma(b')\) が奇数になるとき \(b'\) の約数は奇数個あることになる。
よって \(b'\) は平方数。 \(b'=b^{2}\) と置く。

nが偶数だと仮定すると、
定義より \(\sigma(2^{a}b^{2})=2^{a+1}b^{2}+1\) 、
約数和の性質より \(\sigma(2^{a}b^{2})=(2^{a+1}-1)\sigma(b')\) となる。
よって \((2^{a+1}-1)\sigma(b')=2^{a+1}b^{2}+1\) となる。

ここで \((2^{a+1}-1)\) は4を法として3に合同なので、
\((2^{a+1}-1)\) には4を法として3に合同な素因数 \(p\) が存在する。

このとき \((2^{a+1}-1)\sigma(b')\equiv0\pmod p\) より、
\(2^{a+1}b^{2}+1\equiv0\pmod p\)
\((2^{a+1}-1)b^{2}+b^{2}+1\equiv0\pmod p\)
\(b^{2}\equiv-1\pmod p\)
しかし \(p\) は4を法として3に合同なので、
-1は平方剰余とならず、矛盾。
よって \(n\) は奇数となる。

これで、\(n\) にかなり制約ができたので、コンピューターでもかなり高速に行けるはず。

しかし。

\(2 \times 10^{9}\) まで探索したが、見つからない。

存在しないことは証明できないのだろうか…。