数学徘徊記

自由な数学ブログ。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

平方剰余の相互法則の証明(3)

つぎに、平方剰余に関する次の補題を証明する。これは「オイラーの基準」と呼ばれている。補題2\[\left(\cfrac{a}{p}\right)\equiv a^{\frac{p-1}{2}} \pmod p\]これはかなりきれいな式といえるだろう。証明以下、合同式はすべて \(p\) を法としたものである…

平方剰余の相互法則の証明(2)

まずこの補題を証明する。この補題は、平方剰余の相互法則だけではなく、いろいろな定理の補題としてよく使われる定理である。補題1:\(p\)を素数とする。そのとき、\(n\)次合同方程式\[f(x)\equiv 0 \pmod p \hspace{1cm}\cdots (1) \]は解をもってもその個…

平方剰余の相互法則の証明(1)

あ、最近整数論やってない…。というわけで整数論の記事を書く。今回はシリーズものにする。題して「平方剰余の相互法則シリーズ」である。まず、平方剰余の相互法則を語るうえで必要な記号について説明する。\(p\)を奇素数、\(a\)を\(p\)と互いに素な整数と…

広中杯2016トライアル受けてきた

広中杯2016トライアル受けてきた。ファイナルは用事があるため残念ながらいけない。問題を公表するのはなんかモラルに反しそうなので、やめておく。I-(1)「クマモトガンバレ」の文字が。問題作成者の声が聞こえた。場合分けすれば簡単。I-(2)「1以下」を見落…

等角共役点の証明

等角共役点とはこのようなものだ。等角共役点:三角形ABCと点 P がある。角の頂点を通る直線 l と角の二等分線に関して対称な直線 m を l の等角共役線という。AP,BP,CP の等角共役線は一点で交わり,これを P の等角共役点という。この、「一点で交わる」と…